本展覧会の動機と目的は、台湾の新世代の陶芸作品を通じて、台湾の現代陶芸の系譜と文化的関心を集めようとするもので、この文化体の位置づけ（アイデンティティ）を台湾の現代人文・社会の諸相の中に書き留めようとするものである。

台湾で育ち、陶磁器を主な制作媒体とする現代作家として、戒厳令解除後のポストコロニアル文化の雰囲気に直面して、台湾陶芸の発展の主体性を創作で構築しようとする以外に、この探求の過程を論述言説による台湾現代陶芸の発展史を作り上げ、すなわち台湾現代陶芸におけるのアイデンティティを結ぶ集合的な記憶として集約することがより重要であろう。

各時代の台湾の混沌とした特徴は、長年にわたって蓄積され、「混搭」されて独特の風味を生み出し、破壊的で破砕的な操作と操作によって明らかにされる。国際舞台における台湾の政治問題が解決されなければ、文化的な祖国への憧れという現象が作用しなくなることはないだろう。しかし、否定的な破壊的断片化に向けられたエネルギーは、どのようにしてより肯定的で包括的な、すべての歴史の宿命を背負う身振りに転換されるのだろうか。伝統の不在は我々の伝統である。なぜなら、現時点では、我々は伝統を創造しており、「混搭」は新しい伝統の創造に中心的な役割を果たすからである。

本展覽的策展動機和目的，源於書寫此文化體之定位（Identity）存在於台灣當代人文社會的各面向，企圖透過台灣新世代的陶藝創作來集結出台灣當代陶藝的系譜與文化關注。

身為一個在台灣島上成長，以陶瓷為主要創作媒材的當代藝術工作者而言，面對解嚴後的後殖民文化氛圍，除了在創作中嘗試建立台灣陶瓷藝術發展的主體性，更重要的是透過論述將此探索的過程集結成台灣當代陶藝發展歴，也就是對於台灣當代陶藝中身分認同的集體性記憶連結。

台灣在毎個時期的紛亂性格，累積多年且「混搭」出獨特的味道，以顛覆斷裂的操作、被操作而顯現出來。如果台灣在國際上的政治性議題沒有解決，憧憬文化母國的現象決不可能停止運轉。但是，如何將一直對負面性顛覆斷裂的能量轉換，經由較為積極且多方包容的姿態承接所有毎史裡的宿命。沒有傳統即是我們的傳統，因為，當下，我們正在創造傳統，混搭成為創造新傳統的核心動能。

張 清淵（台湾国立台南芸術大学 応用芸術研究所 教授、所長）

穀雨の候、弊廊で初めてとなる台湾の陶芸家の皆様によるグループ展を開催いたします。

本展の扇の要は、上の文章を頂いた張 清淵先生であり、張先生ゆかりの年齢も居住地も異なる12名（内２名は日本在住）の作家の展覧会と相成りました。

さて、張先生に名付けて頂いた本展タイトルの「混搭」（フゥェンダァー）とは、台湾の歴史や文化を踏まえ、異なるデザインを組み合わせて出来た独自のスタイルという事。集まった12個の作品を拝見すると、その通り、用の器からオブジェまで多種多彩な作品で、日本の陶芸とは色も形も上がりも少し異なる雰囲気があり、独特の魅力を放っています。

私は台湾が大好きです。ご案内の通り、故宮博物院や台北101などの観光地は見応え抜群で、何処の料理も美味しく、何より現地の皆さんが親切で、不慣れな旅人としては嬉しい限りです。台北に向かう日本の航空会社の機内で、日本人のCAさんから「ニイハオ」と台湾の新聞をにこやかに渡された事も懐かしい想い出です・・・（笑）。

ご多忙の折、恐縮ですが、日本語を話す出品作家の在廊日もございますので、「混搭」なる「台湾陶芸の今」をご覧頂ければ嬉しいです。そして未熟な弊廊ですが、本展がさらなる台日友好の架け橋となればと願っております。

末尾になりますが、お世話になりました張 清淵先生、幹事役と通訳の労をお取りいただいた鍾 雯婷（ウェンティン）先生、張先生をご紹介頂いた杉浦康益先生にこの場を借りて心よりの感謝を申し上げます。ありがとうございました。

店主 安田尚史