柿傳ギャラリーブログ

中里太郎右衛門展のご報告です

平成23年8月26日(金)

14代中里太郎右衛門先生、柿傳ギャラリー初の個展!!

作品は、どれもどっしりとした安定感があり、先生のお人柄にも似て、おおらかで、味わい深い趣があります。

昨年、唐津焼の今展に出品していただいた掻落しの花瓶が、まだ記憶にあたらしいところですが、今回も涼しくて鮮やかな青や緑が会場に華を添えました。

 

 

この青い釉薬は、先代の逢庵先生が使われていた翡翠釉とおなじものだそうです。

掻落しの手順をうかがうと、白い化粧土を刷毛でぬり、次に鉄分を多く含んだ土を塗り、完全に渇く前に模様を映して白い化粧土がでるように掻落していき、最後に透明釉、又は、色のつく釉薬をかけて焼くのだそうです。

 

 

手間のかかる技法なので、沢山は、難しいのですが、継続して作り続けていらしたとのこと。

ぴったりの絵柄は、工房の近くにあるホウノキ。作品ごとに枝を折って写すのだそうです。

虫食いも決まっていますね!!

 

また、ご存じの叩き唐津は、様々な彫りこみのある木型で強く叩いて模様をつけますが、形を崩さないために、内側には丸い石の塊を当てているのだそうです。

今回、先生一押しの茶碗は、口まわりに藁灰をつけて焼き、白い釉薬になった藁灰が、内外へ流れて斑模様になった引き出し黒…叩きの柄もはいって重厚で、複雑な景色を作っていました。

 

 

ギャラリーのビデオ映像は5年前のもので、無庵先生、逢庵先生、当代の太郎右衛門先生、そして、当時のかわいい息子さんも、総出演でした♪

(kk)