柿傳ギャラリーブログ

海老原先生の展覧会です

平成23年5月23日(月)

柿傳ギャラリーリニューアル後、初の“書”の展覧会です。

一言に“書”といっても、バリエーションが多く、一人の作家さんの作品とは思わなかったとの感想もよく伺いました。

用いられる墨は、ぷるぷるした状態で乾いても尚、光沢を持ち、力強いかすれで勢いをみせる濃墨と、輝くような滲みや、線の交差に不思議な立体感をつけられる淡墨。

 

どちらも海老原先生こだわりの古墨を選んでいるそうです。

特に淡墨は、清時代後期の乾隆帝墨という貴重な墨で、膠が枯れて生まれるという僅かな青が、端正な筆致とあいまって、その透明な印象を強めています。

 

 

また、同じ「観」であっても、かたやキレのある堂々とした能の動きのように…もう一方は、観音様の姿のように描かれています。

丁度、筆の運びで出来た濃淡が、生地のドレープに見え、なんだかご利益がありそうです。

 

 

 

震災についても、制作の大きな動機として受け止められ、霊的な祈りの姿そのものの「祷」、苦難を忍び、復興に向けた意思を強く表現した「雪崩」、「心肝」など、こころに響く多くの作品が生み出されました。

また、墨アーティストとしての海老原先生は、“書”のみにとどまらず、現代アートに属する平面作品も出品して下さいました。

 

 

鮮やかなブルーや、牡丹色などのアクセントカラーは、アクリル絵の具を調合されているそうです。

しとしとと六月の梅雨の季節を思わせる「雨だれ」や、静寂な森に夜の澄んだ空気が漂うような「人」のシリーズもやはり、墨と白や色との気持ちのいいバランスが考慮されています。(kk)