今後の展覧会

茶陶とうつわ —萩— 岡田 裕 展

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会期 平成30年11月22日(木)~ 11月28日(水)
開廊時間午前11時~午後7時まで(最終日28日は午後5時まで) 会期中無休
略歴昭和39年 厚木高等学校卒業
昭和43年 慶應義塾大学卒業
昭和54年 日本陶芸展入選(以後18回)、日本伝統工芸展入選(以後31回)
平成 6 年 山口県芸術文化振興奨励賞
平成10年 山口県文化功労賞
平成13年 山口県選奨
平成14年 日本工芸会理事就任(平成24年まで)
平成18年 山口県指定無形文化財に認定
平成23年 菊池ビエンナーレ展大賞 受賞
平成25年 第33回 伝統文化ポーラ賞優秀賞 受賞、韓国清州ビエンナーレ招待出品
平成29年 旭日双光賞 受章
作家在廊日11月22日(木)〜25日(日)
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岡田裕さんが八代目当主の晴雲山岡田窯は、大正期に磁器焼造の小畑焼から萩焼へと転換したが、藩政期に勃興した民衆の活力と知恵をいまに受け継ぐ数少ない伝統陶家の一つである。

一方、幼少期から父の転勤にしたがい萩を離れていた岡田さん個人は、別社会の人の眼で陶芸を再認識してから萩焼の道を選んだという異色の経歴の持ち主だ。

水産大手に務める多忙な日々の東京で、現代萩焼との邂逅が岡田さんの転機となった。

その独特の土味と柔和な釉調に心を動かされて見つめ直した自己の深奥に、血脈として伝わる作陶意欲への激しい共感と、造形を通した表現への切実な欲動を発見したという。

 

このように作陶生活の出発点で動機が明確だったから、岡田さんは器用さや奇抜さに自己の制作を展望しなかった。

萩での家業に戻り、素地土づくりから轆轤の成形や登窯焼成の技術といった萩焼の美質の習得を自己に課し、超えるべき職人的技量を十二分に体得するという信念と実行力でもって作家活動に邁進したのである。

白釉窯変や炎彩といった、萩焼の伝統素材をしなやかな現代的感性で魅せた作品はこういった基礎があってこそ生まれた自己表現だ。

 

茶碗などの茶陶も岡田さんの篤実で社交的な人格が反映されたまろやかなかたちですでに声価は高いが、今展は食器などの日用器が多く陳べられるそうだ。

小畑焼由来の簡潔な力強さと伝統萩焼のわざの美とが融合した、岡田さんの生活のかたちをぜひ堪能してほしい。

 

石﨑 泰之(山口県立萩美術館・浦上記念館 副館長)