過去の展覧会

TANBA ー10人の作家による茶陶展 Ⅱー

会期
Schedule
平成30年6月5日(火)~6月11日(月)
June 5 - June 11, 2018
開廊時間
Opening Hours
午前11時~午後7時まで(最終日11日は午後5時まで) 会期中無休
出品作家
Artist
市野信水、市野雅彦、今西公彦、大上伊代、大西雅文、加古勝己、清水一二、清水 剛、仲岡信人、ピーターハーモン (五十音順)
ご紹介文
Introduction

「TANBA-10人の作家による茶陶展Ⅱ」に寄せて

 

丹波焼は、平安時代末期に誕生した日本を代表する古窯のひとつです。

800年間、途絶えることなくやきものを焼き続けてきました。

中世には鮮緑色の自然釉の掛かった焼締陶を、近世にはさまざまな装飾技法や釉薬を駆使したやきものが作られました。

昨年、丹波を含む六古窯(瀬戸・常滑・信楽・備前・越前)が日本文化遺産に認定されました。その理由は、六古窯(焼締陶)が、もっとも日本らしいやきものだからです。

 

中世の丹波焼は、技術的には常滑や信楽の影響を受けますが、素材である土や窯が異なるので、丹波独自の光沢のある鮮緑色のやきものが誕生しました。

すなわち、丹波焼とは、丹波の風土性、地域性を持ったやきものと定義することができます。

丹波の自然と、作家の内なる自然(感性)が共鳴し、ひとつの相を成したときに丹波の形が生まれます。

やきものの創造には、そうした内発的発展が不可欠です。

しかし、この論理は全ての丹波焼の作家にあてはまるわけではありません。

 

市野信水氏は丹波焼の茶陶の第一人者です。「破れ花器」のような造形的な作品を、以前から創作していました。この作品は造形だけでなく、緋色や焦げなど焼味が魅力的です。

 

市野雅彦氏の「丹波赤ドベ弁天埦」は、丹波の弁天の陶土にこだわった作品です。赤ドベ特有の赤みのある土肌に黒胡麻のような不純物が噴出し、赤と黒の自然な模様を生み出しています。

 

今西公彦氏の「黒丹波茶盌」は、山土をベースに素地を作り、その上に黒い塗り土をし、登り窯で焼成したものです。丹波の土と登り窯から生まれた黒丹波の茶盌です。

 

大上伊代氏の「唐獅子茶盌」は、自分の作風である造形的、装飾的な部分と用としての茶碗がうまく融合した作品です。高台の代わりに付けられた4本の足がとてもリアルです。

 

大西雅文氏の「丹波花入」は、昔の陶工がどんな想いで土に触り、窯を焼き続けていたのかを自問自答しながら、丹波の土の生き生きとした力強さを表現しています。

 

加古勝己氏の「丹波茶碗」は、丹波の土と信楽の土による灰釉茶碗です。表と裏ではかなり灰被りの状態が違います。端正な形の中にも、加古氏のこれまでの蓄積が感じられます。

 

清水一二氏の「白釉盌」は、敢えて丹波の土ではなく、ざらっとした肌合いの粘土を使い、手捻りと削りで九角形に仕上げています。黒釉と白釉の大胆な模様が魅力的です。

 

清水剛氏は、本年の現代茶陶展、美濃茶盌展に入賞の注目の作家です。今回の「塩窯水指」は、施釉陶が隆盛を極めた丹波の江戸期に思いを馳せ、自作へと昇華させた作品です。

 

仲岡信人氏の黒釉の「花生」は、割山椒(わりさんしょ)の向付を大きくした形の大胆な花生です。実際に花を活けたら、どんな表情を見せてくれるのか、とても気になる作品です。

 

ピーター・ハーモン氏の「青白磁虫食い葉水指」は、青白磁による清々しい水指です。胴の三面に彫られた「虫食い葉」の模様は、彼なりの侘びを表現して遊び心を感じます。

 

この機会に十人十色、丹波の今をお楽しみ下さい。

                    森 孝 一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)

略歴
Biography
□市野 信水 Ichino Shinsui
昭和32年 兵庫県丹波立杭に初代信水の長男として生まれる
平成元年 日本伝統工芸展 初入選
平成14年 二代「市野信水」を襲名  全国各地で個展開催
現在、日本工芸会 正会員

□市野 雅彦 Ichino Masahiko
昭和36年 兵庫県篠山市に生まれる
平成11年 日本の工芸「今」百選展(三越エトワール、パリ・フランス 他)
平成18年 日本陶磁協会賞
平成22年 現代の茶-造形の自由(菊池寛美記念 智美術館、東京)
     現代工芸への視点-茶事をめぐって(東京国立近代美術館工芸館)
平成23年 兵庫県文化賞
平成27年 市野雅彦‐軌跡、丹波にて (兵庫陶芸美術館)
平成28年 うつろのかたち-市野雅彦・陶展UTUWA (パラミタミュージアム、 三重)
     土のおもむくまま-市野雅彦展 (LIXILギャラリー、東京)
     近代工芸と茶の湯Ⅱ(東京国立近代美術館工芸館)

□今西 公彦 Imanishi Masahiko
昭和46年 兵庫県丹波立杭に生まれる
平成7年 京都市立工業試験場 修了。京都 岡本 彰氏宅にて内弟子となる
平成12年 丹波に帰り作陶をはじめる。京都市立企業技術者研修 修了
平成13年 三田市にて築窯
平成22年 篠山市立杭に移る
     現代茶陶展 入選(岐阜県土岐市・同平成24年)

□大上 伊代 Oogami Iyo
昭和62年 兵庫県丹波立杭に生まれる
平成22年 京都市立芸術大学 陶磁器専攻 卒業
     陶芸家・佐伯守美氏に師事(栃木県)
平成23年 丹波焼・大熊窯にて作陶を始める
平成27年 神戸ビエンナーレ2015現代陶芸コンペティション 入選
平成28年 進行形・女子陶芸Ⅱ(茨城県陶芸美術館)

□大西 雅文 Oonishi Masafumi
昭和55年 丹文窯4代目 長男として生まれる
平成12年 大阪芸術短期大学部 デザイン美術科工芸専攻 卒業
     愛知県瀬戸市 加藤裕重氏(霞仙陶苑)に師事
平成16年 立杭 丹文窯にて、作陶を始める
平成17年 加古川百貨店にて初個展
その他、個展グループ展多数

□加古 勝己 Kako Katsumi
昭和40年 京都市生まれ
昭和61年 嵯峨美術短期大学 陶芸科 卒業
平成3年 兵庫県西脇市にて作陶を始める
平成6年 京都工芸ビエンナーレ展 優秀賞
平成16年 田部美術館大賞 茶の湯の造形展 優秀賞(島根県)
平成17年 兵庫県篠山市上筱見にて作陶活動を始める
平成21年 菊池ビエンナーレⅢ 入選(智美術館)
平成22年 現代茶陶展 奨励賞(岐阜県土岐市)
平成23年 田部美術館大賞 茶の湯の造形展 奨励賞(島根県)

□清水 一二 Shimizu Ichiji
昭和36年 兵庫県丹波立杭に生まれる
昭和59年 丹波、瀬戸、備前にて学ぶ
平成12年 現代茶陶展 TOKI織部銀賞(岐阜県土岐市)
平成19年 現在形の陶芸 萩大賞展 準大賞
平成21年 日本陶芸展 茨城県陶芸美術館賞
平成26年 現在形の陶芸 萩大賞展Ⅲ 優秀賞、陶美展 奨励賞
平成29年 兵庫工芸展 神戸新聞社大賞
現在、日本工芸会 正会員、日本陶芸美術協会 幹事、兵庫県工芸美術作家協会 理事

□清水 剛 Shimizu Takeshi
昭和50年 兵庫県丹波立杭に生まれる
平成11年 京都市立芸術大学 工芸科 卒業、陶芸家 今井政之・眞正氏に師事
平成21年 神戸ビエンナーレ2009 現代陶芸展 奨励賞(平成23年同賞)
平成27年 外務省派遣事業によりカナダにて講演・ワークショップを行う
平成29年 兵庫県芸術奨励賞
平成30年 現代茶陶展 優秀賞(岐阜県土岐市)
     美濃茶盌展 金賞(岐阜県多治見市)

□仲岡 信人 Nakaoka Nobuhito
昭和52年 大阪に生まれる
平成8年 高等学校卒業後、丹波焼作家 西端 正氏に師事
平成13年 京都市工業試験場 陶磁器科 修業
平成18年 篠山市立杭にて独立
平成25年 田部美術館大賞 茶の湯の造形展 優秀賞(島根県)
     神戸ビエンナーレ2013 現代陶芸コンペティション 準グランプリ
     現在形の陶芸 萩大賞展Ⅲ 佳作
平成29年 現代茶陶展 入選(岐阜県土岐市)

□ピーター・ハーモン Peter Hamann
昭和31年 アメリカ・ネブラスカ州生まれ
昭和53年 グレースランド大学 美術科 卒業
昭和56年 来日
昭和60年 滴翠美術館 付属陶芸研究所専攻科 卒業
昭和63年 篠山市に開窯
日本伝統工芸展、日本陶芸展、田部美術館大賞 茶の湯の造形展等入選・入賞多数
現在、日本工芸会 正会員
作家在廊日
Date Artist
in Gallery
市野 信水 ( 6月5日〜7日 )
市野 雅彦 ( 6月5日〜8日 )
今西 公彦 ( 6月5日〜8日 )
大上 伊代 ( 6月5日、7日〜11日)
大西 雅文 ( 6月5日〜8日 )
加古 勝己 ( 6月5日〜7日 )
清水 一二 ( 6月8日、10日 )
清水 剛 (6月5日〜7日、9日〜10日)
仲岡 信人 ( 6月7日〜11日 )
ピーター・ハーモン ( 6月5日〜7日 )
出品作品
Exhibited Works
茶碗、花入、水指、茶器、壺、酒器、食器など
特別茶会
Tea Party
■特別記念茶会「TANBA」 6月7日 (木)

柿傳ギャラリーの上にある茶室にて、本展の特別記念茶会「TANBA」を開催致します。
席主は、市野雅彦さんを中心に出品作家が力を合わせて務めさせて頂きます。
茶会に参加された事がない初心の方も大歓迎ですので、どうぞお気軽に、丹波ゆかりのお道具で、一服の茶の一時をお楽しみ頂ければ幸いです。


・日時 6月7日(木) 10:00、11:00、13:00席入の三席

・席主 市野雅彦さんを中心とした出品作家

・場所 新宿 京懐石 柿傳(東京都新宿区新宿3-37-11 安与ビル)
    薄茶席「残月(9階)」、点心席「古今サロン(6階)」、
    受付・寄付「柿傳ギャラリー(B2階)」
    ※ 席入15分前までにお集まりください。

・会費 5,000円(税込)
    ※当日、受付にてお支払い頂ければ幸いです。 

・服装 ご自由にどうぞ。

・申込 ご希望の方は、電話、FAX、メール、お申し込みフォームよりお問合せ下さいませ。


皆様のお申込を心よりお待ち申し上げております。

<ご連絡先>
TEL 03-3352-5118 / FAX 03-5269-0335
e-mail gallery@kakiden.com
電話は11時~19時受付(ギャラリー休廊日を除きます)
▸お申込みはこちら
主な出品作品
Main Exhibited
Works
展覧会期間中に展示した主な作品を以下にご紹介致します。
価格は、税別か税込の記載が無い場合は、展覧会開催時点の消費税込みの金額です。
画像をクリックすると拡大写真がご覧になれます。
これらの作品以外にも多数の作品がございます。お客様のお好みをお電話かメールにてお聞かせ頂ければ、より詳細な画像を撮影して、メールにてご案内させて頂きます。
展覧会終了後は、申し訳ありませんが、作品の在庫をお調べするためのお時間を頂ければ幸いです。

作品サムネイル

No.1

作家名市野 信水
作品名破れ花器
価格270,000 円
寸法W 28.0 × D 23.0 × H 28.0 (㎝)

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No.2

作家名市野 雅彦
作品名丹波赤ドベ弁天埦 【ご売約済み】
価格270,000 円
寸法φ13.2 × H8.3

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No.3

作家名今西 公彦
作品名黒丹波茶盌
価格129,600 円
寸法W10.4 × D10.3 × H9.5

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No.4

作家名大上 伊代
作品名唐獅子茶盌 【ご売約済み】
価格64,800 円
寸法W10.1 × D10.6 × H7.4

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No.5

作家名大西 雅文
作品名丹波花入
価格51,840 円
寸法φ16.0 × H18.5

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No.6

作家名加古 勝己
作品名丹波茶碗
価格108,000 円
寸法φ11.3 × H7.8

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No.7

作家名清水 一二
作品名白釉盌 【ご売約済み】
価格162,000 円
寸法W11.7 × D11.8 × H9.8

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No.8

作家名清水 剛
作品名塩窯水指
価格129,600 円
寸法φ18.2 × H21.3

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No.9

作家名仲岡 信人
作品名花生
価格70,200 円
寸法W20.6 × D21.2 × H16.0

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No.10

作家名ピーター・ハーモン
作品名青白磁虫食い葉水指 【ご売約済み】
価格183,600 円
寸法φ20.0 × H14.5

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No.11

作家名市野 信水
作品名茶入(仕覆付) 【ご売約済み】
価格162,000 円
寸法Φ 5.5 × H 8.8 (㎝)

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No.12

作家名市野 雅彦
作品名丹波赤ドベ蓋物
価格108,000 円
寸法Φ 7.0 × H 10.0 (㎝)

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No.13

作家名今西 公彦
作品名丹波大壺
価格594,000 円
寸法Φ 43.0 × H 46.5 (㎝)

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No.14

作家名大上 伊代
作品名騎龍童子香合
価格54,000 円
寸法W 7.0 × D 5.0 × H 7.0 (㎝)

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No.15

作家名大西 雅文
作品名丹波茶盌 【ご売約済み】
価格51,840 円
寸法Φ 13.0 × H 10.0 (㎝)

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No.16

作家名加古 勝己
作品名灰粉引茶碗「長滝」 【ご売約済み】
価格108,000 円
寸法Φ 10.8 × H 8.8 (㎝)

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No.17

作家名清水 一二
作品名吹泥白丹波金彩香炉
価格162,000 円
寸法Φ 10.2 × H 12.3 (㎝)

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No.18

作家名清水 剛
作品名刻紋銀彩茶盌 【ご売約済み】
価格97,200 円
寸法Φ 11.0 × H 8.0 (㎝)

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No.19

作家名仲岡 信人
作品名彩色灰釉水指 【ご売約済み】
価格91,800 円
寸法Φ 17.8 × H 16.2 (㎝)

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No.20

作家名ピーター・ハーモン
作品名彫刻青磁茶碗 【ご売約済み】
価格118,800 円
寸法Φ 13.3 × H 6.1 (㎝)

販売方法につきまして

DMや当サイトに掲載している作品は、会期が始まる前の事前予約を承っております。
実際に弊廊にお出かけ頂けない方には、お電話やメールでのご注文も喜んで承ります。
皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。