過去の展覧会

MINO

かとう つぶさ

会期 平成27年7月16日(木)~7月22日(水)
開廊時間午前11時~午後7時まで(最終日は午後5時まで) 会期中無休
出品作家伊藤秀人、大江憲一、加藤 委、加藤亮太郎、川端健太郎、桑田卓郎、鈴木伸治、新里明士、若尾 経
特別出品:伊藤慶二
お知らせ■ 森 孝一氏の講演会& 出品作家とのフリートーク
・日時  : 7月16日(木)16:00~17:30
・会場  : 柿傳ギャラリー(地下2階) ※「安与ホール」から変更となりました。
・講演者 : 森 孝一氏(美術評論家・日本陶磁協会 理事)
・参加費 : 無料
・申込  : 参加ご希望の方は、柿傳ギャラリーまでお電話かメールにてお申し込み下さい。
(電話03-3352-5118、gallery@kakiden.com。電話は11~19時受付。ギャラリー休廊日を除く)

■■ オープニングレセプション
・日時 : 7月16日(木)、上記の講演会終了後、17:30頃~19:00
・会場 : 柿傳ギャラリー
・会費 : 無料
・申込 : 不要

■■■ 特別茶会「MINO」
・日にち : 7月19日(日)
・席入時間 : 10:00(満席)、10:45(満席)、11:30、12:15、14:15、15:00
      ※ 10:00、10:45 のお席は、お陰様で満席となりました。ありがとうございました。
・席主 : 出品作家(MINOな道具で趣向を凝らしますので、どうぞお楽しみに)
・定員 : 各席13名様ずつ

・会場 : 柿傳 茶室(柿傳ギャラリーと同じビルの6・7・9階/東京都新宿区新宿3-37-11)
・流れ :①濃茶席/9階 → ②薄茶席A/9階 → ③点心席/7階 → ④薄茶席B/6階の順に巡って頂きます。

・受付 : 柿傳ギャラリー(B2階) ※席入時間の15分前までにお集まり下さい。
・所用 : 濃茶席、薄茶席×2、点心席の四席で、おおよそ3時間程度かかります。
・会費 : 9,000円 ※当日受付にてお支払いください。

・服装 : ご自由です。お気軽にどうぞ。お茶会に参加された事がない初心の方も大歓迎です。
・申込 : 参加ご希望の方は、柿傳ギャラリーまでお電話かメールにてお申し込み下さい。
(電話03-3352-5118、gallery@kakiden.com。電話は11~19時受付。ギャラリー休廊日を除く)

「MINO」展に寄せて

 

茶の湯道具の中で、茶碗ほど茶人の心を惹(ひ)きつけるものはない。

その基本は掌(たなごころ)にある。

両の掌(てのひら)で水を掬(すく)って飲むように、その掌にぴったりとおさまる茶碗が長次郎の手揑(てづく)ねである。

例えば、<赤茶碗 銘「無一物」>は無作為な姿でありながら圧倒的な存在感がある。

利休の理念を具象化し、それを長次郎が造形化した茶碗で、その対極にあるのが<志野茶碗 銘「卯花墻」>である。

利休の理念から解放され自由な精神で挑んだもので、その歪(ゆが)みのある造形は世界に類を見ない。

日本の美術の余白や空間を眺めていると、そこに人の想像力が入り込むことによって、はじめて造形が完成するように思う。

だから、日本の美術の造形は不完全であり、引き算なのであろう。

それは、茶の湯の歴史の中にあって、茶陶がわが国独自の造形を確立したことを物語っている。

 

そして、現代の美濃の陶芸家たちも、その伝統を引き継いでいるといってもいいだろう。

例えば、素材が陶土から磁土に代っても、そこに流れる自由な精神は変らない。

美濃の若い陶芸家たちが、国内外で活躍するいま、その陶芸を美濃から世界に発信すべく、今回の展覧会は<美濃>ではなく<MINO>と名付けられた。

さらに、出品作家による茶会が催されるという。

これまでも、彼らは東京国立近代美術館での「試みの茶事」をはじめとし、各地で茶会を試みてきた。

茶碗は単品でも使われるが、茶道具は元来取り合わせて使うものである。

茶の湯の世界では「亭主七分に客三分の楽しみ」といわれるが、これは客を迎える亭主の醍醐味を説いたもので、茶道具の取り合わせによって亭主のセンスが問われる訳であるから、それは楽しみであり難しくもある。

今回、出品する作家の多くは、多治見市陶磁器意匠研究所で学んだ人たちで、その意匠研の講師であった伊藤慶二氏も、やきものではなく書で特別参加されると聞く。

彼らがどんな趣向をこらして、茶会に挑戦するのか、じつに楽しみである。それでは、出品される作家の茶碗を紹介しょう。

 

加藤委氏の<青白磁面取茶碗>は、加藤氏ならではの感性によって磁土の魅力を素直に引き出したもので、青白磁ゆえに成立する破格の造形である。

若尾経氏の<米色瓷茶碗>は技術的には中国を基本としたものだが、その造形は若尾氏独自のもので緊張感が感じられる。

伊藤秀人氏の<練彩茶碗>はロクロの回転運動によって螺旋(らせん)状に色が入ったもので、彼のいう「内なるものが思いがけず表に出た色のグラデーションで、夕焼けや木星の美しさ」を表現している。

加藤亮太郎氏の<引出黒茶碗>は美濃焼の中核をなす桃山茶陶と真摯に向き合いながら、現代における茶碗の在り様を探求し、一碗一碗心を込めて作ったものである。

大江憲一氏の<茶碗>は、ご自身趣味で野点をされ茶箱に入る小服碗や振出しを作られているというだけに、用の美を兼ね備えた素直な茶碗である。

鈴木伸治氏の<紫志野茶碗>は志野特有の緋色を出そうとして偶然生まれたものだそうである。作家にとって志野は、「奥が深く、飽きがこなくて面白い」存在とのことである。

新里明士氏の<光器茶碗>は蛍手(ほたるで)の技法を独自に進化させたもので、端正なフォルムと土から立ち上がるスピード感、白い磁器にグラフィカルな点描という三つの要素によって構築されている。

川端健太郎氏の<Batista茶碗>は、へたり、動き、切れるといった磁土のもつ性質に寄り添いながら手びねりで成形し、その表面に辰砂釉を中心に色ガラスの破片などを施すことによって、生命(いのち)の息づかいを吹き込んでいる。

桑田卓郎氏の<白金彩茶碗>は、茶の湯の世界の美意識を桑田氏独自の感性で再構築したもので、そこには古い固定観念や先入観に捉われない自由な発想がある。

 

森 孝 一 (美術評論家・日本陶磁協会理事)

主な出品作品
展覧会期間中に展示した作品をご紹介します。
展覧会終了後は、恐れながら、作品の在庫をお調べするのにお時間を頂ければ幸いです。
画像をクリックすると拡大写真がご覧になれます。
価格は、全て消費税込みの価格です。

加藤委

作家名加藤 委 KATO TSUBUSA
作品名青白磁面取茶碗
価格【ご売約済】162,000
寸法W16×D11×H10 (cm)

若尾経

作家名若尾 経 WAKAO KEI
作品名米色瓷茶盌
価格【ご売約済】259,200
寸法W13.5×D14.1×H11.4 (cm)

伊藤秀人

作家名伊藤 秀人 ITO HIDEHITO
作品名練彩茶碗
価格【ご売約済】86,400
寸法Φ12.4×H8.5 (cm)

加藤亮太郎

作家名加藤 亮太郎 KATO RYOTARO
作品名引出黒茶盌
価格【ご売約済】162,000
寸法W12×D12×H9 (cm)

大江憲一

作家名大江 憲一 OOE NORIKAZU
作品名茶碗
価格【ご売約済】32,400
寸法W14×D13×H6 (cm)

鈴木伸治

作家名鈴木 伸治 SUZUKI SHINJI
作品名紫志野茶碗
価格162,000
寸法Φ14.2×H7.6 (cm)

新里明士

作家名新里 明士 NIISATO AKIO
作品名光碗
価格【ご売約済】97,200
寸法W16×D16×H7 (cm)

川端健太郎

作家名川端 健太郎 KAWABATA KENTARO
作品名白磁辰砂白金色玻璃綴化茶盌
価格【ご売約済】118,800
寸法W14×D12×H9.5 (cm)

桑田卓郎

作家名桑田 卓郎 KUWATA TAKURO
作品名白金彩茶碗 【ご売約済】
寸法Φ14×H11.3 (cm)