開催中の展覧会

中村康平 茶盌展

なかむら こうへい

カセ釉黒茶碗
367,200 円
Φ 11.5 × H 9.8 (㎝)

会期 平成30年7月16日(月)~ 7月22日(日)
開廊時間午前11時~午後7時まで(最終日22日は午後5時まで) 会期中無休
略歴昭和23年 中村梅山三男として金沢市に生まれる。 多摩美術大学彫刻科卒
平成元年 <八木一夫賞>‘89現代陶芸展 ―グランプリー受賞― 
平成5 年 ガース・クラーク ギャラリー(ニューヨーク)と契約
平成8 年 サントリー美術館大賞特別展‘96
平成11年 国際現代陶芸展 (メトロポリタンミュージアム)
平成24年 「工芸未来派」金沢21世紀美術館
平成25年「現代の名碗展」(菊池寛実記念智美術館)

【パブリック・コレクション】
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、メトロポリタンミュージアム(ニューヨーク)他
作家在廊日会期中、全日在廊予定
出品作品茶盌、書
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林屋晴三さんを偲んで

 

林屋晴三さんとはとても貴重なお付き合いをさせていただきましたが、考えてみるとそれはいつも柿傳さんを舞台に展開していました。

柿傳さんでの個展は今回で4回目を数えますが、初回の会場を一巡なさった先生は「康平くん、君にここに並ぶすべての茶盌を割る勇気があれば良い陶芸家になれるんだがね」と厳しい言葉、それからも「割ってしまえ!」は度々、「康平君は解ってない」はほぼ日常的でした。

ただ、その厳しい言葉とは裏腹に誰よりも愛ある優しさで私にも茶盌の思想を熱心に説いて下さいました。

 

現代には現代の茶盌が存在しなければならない。

これが先生の核となる思想でしたが、先生は陶芸家の技術面よりも才能に重きを置き、オブジェ作家の才能に現代茶盌の可能性を見出されたように思います。

今、若い陶芸家のほとんどが茶盌を作る時代が訪れていますが、言うまでもなく先生が果たした大きな功績でしょう。

作り手に技術よりも才能の確かさを求めた茶人が茶道史にもう一人います。

利休は当然、食器職人に茶盌を注文するつもりでいたでしょうが、例の二彩獅子だったかもしれません、たまたま長次郎の瓦彫刻に出会い、もうその造形力に愕然としたのでしょう、轆轤技術もない瓦職人に創作の才能を見込んで茶盌の制作を依頼したのです。

 

実は今、茶盌を作るにあたって、私の制作意図が林屋さんの教えに背く方向を向いているのではと危惧しています。

先生は「写し」茶盌を嫌いましたが、私の中で古いもの、日本らしいもの、が新鮮に感じる古典回帰が強まり、“現代の古典”を意図した茶盌作りを深めつつあります。

先生の「割ってしまえ!」の言葉が頭上より聞こえそうですが、もしかすると私のこの意図にご共鳴いただけそうな気もしています。

 

中村康平