過去の展覧会

チーム九谷展 -魂の自由-

会期
Schedule
平成30年10月11日(木)~10月17日(水)
October 11 - October 17, 2018
開廊時間
Opening Hours
午前11時~午後7時まで(最終日17日は午後5時まで) 会期中無休
出品作家
Artist
赤地 径、佐藤 亮、武腰 潤、田島正仁、田畑奈央人、中田一於、中田雅巳、福島武山、見附正康、南 繁正、吉田幸央 (五十音順)
ご紹介文
Introduction

1951年、パリに留学中の彫刻家・高田博厚から友人である陶磁学者・小山冨士夫宛に長い感想文が送られました。

その年にパリのツエルヌスキー陶器美術館で開催された「日本現代陶器展」を見ての感想文です。

 

「私は長い間西洋の美術を勉強して、伝統の型を破ることが自由さも、新しさも意味しないことを教はりました。むしろ逆に伝統を真に生かすことは、自己の精神が常に新しくあることによつてであると会得しました。(中略)

小山君。私はもう一度くりかえしていひます。真の伝統が生きるといふことは、己れの精神が常に新しくあることだと。日本の高級陶器はこれを逆に解釈してゐるやうです。だから自由な生き生きしたものがないのです。どんなに昔のままに形や模様を継承しても、自分の魂が新しい時には、型そのもの、模様そのものが新しくなります。昔の傑作はそれを私達に教へてゐます。」

 

 

なぜ、こんな話をするのかと言うと、昨年来日したイタリアの美術館の館長が、ある窯業地を訪ねて「日本の現代陶芸は技術的にはとても素晴らしいが、それだけだ。魅力がない」と呟いたからです。

私は67年前と同じような感想を聞いて唖然としました。

技術があっても魂の自由がなければ作品は空虚です。

逆に、魂の自由があっても技術がなければ作品は無力です。

そこで、私は技術力のあるチーム九谷のみなさんに、是非とも「魂の自由」をテーマに作品を出品していただくことをお願いしました。

 

 

赤地径氏の「透鉢」の魅力は、その大胆な透かしです。〇△□は仙厓の禅画を思い出します。

 

佐藤亮氏の「額」シリーズは、小さな陶板を透明なアクリル板で挟んだものです。「時雨間道」「山背」「渓声」「雨月」という画題から、詩情豊かな淡彩画の世界が浮かびます。

 

武腰潤氏の「網干文瓢子角瓶子」は、九谷の五彩による網目文の瓶子です。小品ながら新しい精神で現代の九谷に挑んでいます。

 

田島正仁氏の「釉彩鉢」は、柔らかなアウトラインが魅力的です。肩の力が抜けて、これまでにない自由さが感じられます。

 

田畑奈央人氏の「インコの陶筥」は、無地の髑髏と青と黄色の鮮やかなインコを組み合わせた、生と死の対比に作家の意図を感じます。

 

中田一於氏の「白銀釉裏銀彩悠苑」合子は、繊細な模様と白銀の輝きが見事に融合した、小品ながらも気品ある作品です。

 

中田雅巳氏の「SEN」は、九谷の伝統を基調としながら、モダンでシンプルな新しい九谷の形態に挑戦しています。

 

赤絵細描の第一人者・福島武山氏の「香炉 観瀑図」は、氏が得意とする山水の絵柄と幾何学文様を組み合わせた見事な香炉です。

 

見附正康氏の「赤絵細描羽紋茶盌」は、余白を生かした赤絵細描に九谷の和絵具の青を入れたモダンな構図です。

 

南繁正氏の「組皿 旬菜」は、確かなデザイン力を根底として、四季の旬菜の特徴をよく捉えています。

 

吉田幸央氏の「金襴手彩色陶筥」は、升目模様の中に金箔を貼ったモダンな作品です。

 

 

この機会に、是非ともチーム九谷の「魂の自由」をご堪能下さい。

 

 

                                森 孝 一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)

 

略歴
Biography
赤地 径 Akaji Kei
昭和47年 石川県金沢市生まれ
平成6年 石川県立九谷焼技術研修所 基礎コース 卒業、多治見市陶磁器意匠研究所にて半年間研修~ 現在 赤地陶房
平成14年 赤地健・径 二人展A やきものいこま(奈良)
平成24年 個展 日本橋髙島屋(東京)
平成25年 モノトヒト(金沢)
平成27年 赤絵の器~赤地健・赤地径展 銀座の金沢(東京)


佐藤 亮 Satou Ryo
昭和21年 新潟市生まれ
昭和45年 早稲田大学 卒業
昭和55年 日本伝統工芸展 初入選
昭和59年 日本工芸会正会員となる
東京銀座和光本館ホール、大阪阪急うめだ本店、福岡岩田屋三越等で個展多数


武腰 潤 Takegoshi Jyun
昭和23年 石川県寺井町生まれ
昭和45年 金沢美術工芸大学 日本画科 卒業
平成3年 日展特選(平成6年)
平成14年 日本伝統工芸展 朝日新聞社賞
平成18年 21世紀展 出品(以後毎年出品)
平成19年 日本伝統工芸展 鑑査委員(平成24年)、平成18年度日本陶磁協会賞
平成21年 日本陶芸展 招待作家(平成23年、25年、29年)
平成26年 石川県文化功労賞
平成28年 石川県九谷焼美術館 館長就任、創と造2016 出品


田島 正仁 Tajima Shoni
昭和23年 石川県小松市生まれ
昭和53年 中日国際陶芸展 外務大臣賞
平成3年 ’91金沢工芸大賞 コンペティション優秀賞
平成18年 日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞
平成22年 伝統九谷焼工芸展 優秀賞(平成23年、24年、25年、27年)
平成28年 日本伝統工芸展 朝日新聞社賞
平成29年 伝統九谷焼工芸展 大賞、日本陶芸展 準大賞・日本陶芸展賞、菊池ビエンナーレ 奨励賞、日本伝統工芸展 鑑査委員


田畑 奈央人 Tabata Naoto
昭和44年 三重県生まれ
平成4年 明治大学 法学部 卒業
平成16年 武腰潤先生に師事
平成17年 石川の伝統工芸展 入選、伝統九谷焼展 入選
平成23年 伝統九谷焼展 技術賞
平成29年 日本陶磁協会 奨励賞展 奨励賞


中田 一於 Nakada Kazuo
昭和24年 石川県小松市生まれ
昭和54年 一水会賞
平成2年 日本伝統工芸展 文部大臣賞
平成13年 伝統九谷工芸展 大賞 県立美術館買上げ
平成14年 石川県指定無形文化財 九谷焼技術保存会保持者に認定
平成20年 日本工芸会理事就任
平成22年 日本工芸会 保持者賞、北国文化賞
平成23年 紫綬褒章受章、日本伝統工芸展特待者出品
平成24年 小松市文化賞
平成27年 伝統文化ポーラ賞 優秀賞


中田 雅巳 Nakada Masaru
昭和52年 石川県生まれ
平成9年 石川県立九谷焼技術研修所 基礎コース 卒業
平成18年 益子陶芸展 入選、出石磁器トリエンナーレ 入選
平成19年 京畿道世界陶磁ビエンナーレ(韓国) 入選、金沢市工芸展 金沢市長最優秀賞
平成23年 菊池ビエンナーレ 入選(同25年)、日本陶芸展 入選(同25年 賞候補)
現代美術展 北國賞(同26年)、長三賞常滑陶芸展 入選(同25年)
平成26年 Meister der Moderne展 バイエルン州賞(ドイツ)
平成29年 菊池ビエンナーレ 奨励賞、現代陶芸奨励賞展 奨励賞


福島 武山 Fukushima Buzan
昭和38年 石川県立工業高校デザイン科卒
平成7年 創造美術展 東京都知事賞
平成11年 第23回 全国伝統的工芸品公募展にて第一席グランプリ内閣総理大臣賞を受賞する
平成13年 伝統九谷焼工芸展 大賞
平成17年 石川県指定無形文化財 九谷焼技術保存会会員に指定される
平成19年 九谷焼伝統工芸会 会長就任、石川の伝統工芸展 優秀賞


見附 正康 Mitsuke Masayasu
昭和50年 石川県加賀市生まれ
平成9年 福島武山氏に師事(平成19年独立)
平成12年 伝統九谷焼工芸展 技術賞(平成17年、21年)
平成22年 全国伝統工芸品公募展 経済産業省製造産業局長賞
平成23年 「REVALUE NIPPON PROJECT-中田英寿 現代陶芸と出会う-」(茨城県陶芸美術館)
平成24年 「工芸未来派」(金沢21世紀美術館)
平成26年 パラミタ陶芸大賞展 大賞(パラミタミュージアム)
平成28年 平成27年度 石川デザイン賞


南 繁正 Minami Shigemasa
昭和25年 石川県能美郡寺井町湯谷生まれ
昭和46年 日本硬質陶器株式会社 図案室勤務(~昭和57年)
昭和55年 日本伝統工芸展 初入選
昭和57年 (財)寺井町九谷焼資料館勤務(~平成3年)
昭和61年 日本工芸会正会員に認定される
平成4年 日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞
平成11年 やきもの探訪 (NHK-BS 2)-四季を奏でる緑の調べ-
平成22年 石川県指定無形文化財保持団体 九谷焼技術保存会会員に認定される


吉田 幸央 Yoshita Yukio
昭和35年 石川県小松市生まれ
昭和57年 金沢美術工芸大学 卒業
平成4年 伝統九谷焼工芸展 大賞
平成6年 高岡クラフト展 金賞
平成11年 陶芸ビエンナーレ ’99特別賞
平成12年 現代茶陶展TOKI織部 銀賞
平成21年 伝統九谷焼陶芸展 大賞
平成22年 日本伝統工芸展 高松宮記念賞
作家在廊日
Date Artist
in Gallery
赤地 径(11日)
佐藤 亮(11日)
田畑 奈央人(11日)
中田 雅巳(11~12日)
見附 正康(11~12日)
南  繁正(15~16日)  
吉田 幸央(11~12日)
お知らせ
Notice
■見附正康作品の販売方法につきまして

いつもありがとうございます。
見附正康作品の販売方法ですが、あらかじめ混雑することが想定されるため、恐れ入りますが、会場に展示される作品を対象に、抽選による販売とさせて頂きます。
前回の反省点や防犯上の事を熟考し、今回は先着順ではなく、抽選販売と致しました。
どうぞご理解を頂ければ幸いに存じます。

具体的な抽選の販売方法は以下の通りとさせて頂きます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

1 公開抽選会
  10月13日(土)の13:00から、柿傳ギャラリーの展示スペースにて

2 応募方法
・以下の時間に、柿傳ギャラリー店頭にて、専用の応募用紙でお申込みください。応募用紙は店頭で配布させて頂きます。
   10月11日(木)11:00〜19:00
   10月12日(金)11:00〜19:00
   10月13日(土)11:00〜13:00
・一人でも多くの方にご購入頂ければと思い、誠に恐縮ですが、お一人様1点限りのご応募とさせて頂きます。
・柿傳ギャラリー店頭でのみのご応募とさせて頂き、申し訳ございませんが、電話やメールでの受付は致しかねます。
・ご応募時に、お名前、ご住所、携帯電話番号、固定電話番号、メールアドレス、ご希望作品名を伺わせて頂きます。
・恐れ入りますが、ご応募のキャンセルはお受けしかねます。ご了承の上、お申し込み頂ければ幸いです。

3 抽選方法
・公開抽選会で、見附正康先生に、作品毎にくじをひいて頂きます。
・公開抽選会にはご出席頂かなくても構いません。
・ご当選された方には、公開抽選会当日 10月13日(土)の14:00以降に弊廊からご連絡をさせて頂きます。
・ご当選者様に平成30年10月14日(日)の19:00迄にご連絡がつかない場合はご当選の権利が無くなるものとさせて頂きます。その場合は、平成30年10月15日(月)の11:00から、通常販売に切り替えさせて頂きます。
・恐れ入りますが、ご当選作品のキャンセルはお受けしかねます。
・残念ながら抽選に外れた皆様には、弊廊からご連絡を致しませんので、ご了承を頂ければ幸いです。平成30年10月14日(日)19:00までに弊廊からのご連絡が無い場合は、恐れながら、抽選に外れた事とさせて頂きます。
主な出品作品
Main Exhibited
Works
展覧会期間中に展示した主な作品を以下にご紹介致します。
価格は、税別か税込の記載が無い場合は、展覧会開催時点の消費税込みの金額です。
画像をクリックすると拡大写真がご覧になれます。
これらの作品以外にも多数の作品がございます。お客様のお好みをお電話かメールにてお聞かせ頂ければ、より詳細な画像を撮影して、メールにてご案内させて頂きます。
展覧会終了後は、申し訳ありませんが、作品の在庫をお調べするためのお時間を頂ければ幸いです。

作品サムネイル

No.1

作家名赤地 径
作品名透鉢
価格16,200 円
寸法Φ 17.5 × H 10.2 (㎝)

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No.2

作家名佐藤 亮
作品名「額」時雨間道
「額」山背
「額」渓声  【ご売約済み】
「額」雨月 【ご売約済み】
価格各 59,400 円
寸法W 18.5 × D 4.2 × H 18.5 (㎝)
W 19.5 × D 3.5 × H 19.5 (㎝)
W 19.5 × D 3.5 × H 19.5 (㎝)
W 19.0 × D 4.2 × H 19.0 (㎝)

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No.3

作家名武腰 潤
作品名網干文瓢子角瓶子
価格378,000 円
寸法W 7.6 × D 7.6 × H 21.8 (㎝)

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No.4

作家名田島 正仁
作品名釉彩鉢
価格378,000 円
寸法Φ 35.2 × H 14.3 (㎝)

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No.5

作家名田畑 奈央人
作品名インコの陶筥
価格270,000 円
寸法W 43.3 × D 17.7 × H 22.0 (㎝)

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No.6

作家名中田 一於
作品名「白銀釉裏銀彩悠苑」合子
価格324,000 円
寸法Φ 7.8 × H 4.6 (㎝)

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No.7

作家名中田 雅巳
作品名SEN
価格各 32,400 円
寸法Φ 5.5 × H 9.2 (㎝)

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No.8

作家名福島 武山
作品名香炉 観瀑図
価格324,000 円 【ご売約済み】
寸法W 7.3 × D 7.3 × H 11.0 (㎝)

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No.9

作家名見附 正康
作品名赤絵細描羽紋茶盌 【ご売約済み】
価格140,400 円
寸法Φ 11.5 × H 9.0 (㎝)

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No.10

作家名南 繁正
作品名組皿 旬菜
価格324,000 円
寸法Φ 12.6 × H 2.5 (㎝)

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No.11

作家名吉田 幸央
作品名金襴手彩色陶筥 【ご売約済み】
価格129,600 円
寸法Φ 9.0 × H 7.6 (㎝)

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No.12

作家名赤地 径
作品名めし碗 【ご売約済み】
デミタスカップ 【ご売約済み】
価格2,592 円
2,808 円
寸法【左端から】
W 10.8 × D 7.2 × H 4.5 (㎝)
Φ 13.0 × H 6.2 (㎝)
Φ 11.5 × H 6.5 (㎝)
W 10.8 × D 7.0 × H 5.8 (㎝)

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No.13

作家名佐藤 亮
作品名【左端から】
「盃」片時雨
「盃」良夜 【ご売約済み】
「盃」翠雨 【ご売約済み】
価格各 37,800 円
寸法W 7.3 × D 6.0 × H 6.0 (㎝)
W 6.5 × D 5.6 × H 6.0 (㎝)
Φ 5.5 × H 6.5 (㎝)

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No.14

作家名田島 正仁
作品名彩釉壷
価格162,000 円
寸法Φ 15.6 × H 27.2 (㎝)

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No.15

作家名田畑 奈央人
作品名ティラノサウルスのオブジェ
価格216,000 円
寸法W 49.0 × D 16.5 × H 19.5 (㎝)

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No.16

作家名中田 一於
作品名白銀釉裏銀彩線文壷
価格540,000 円
寸法Φ 24.5 × H 19.5 (㎝)

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No.17

作家名中田 雅巳
作品名SEN
価格118,800 円
寸法Φ 8.3 × H 19.5 (㎝)

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No.18

作家名福島 武山
作品名水指 赤網手文
価格1,080,000 円
寸法Φ 19.2 × H 20.5 (㎝)

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No.19

作家名南 繁正
作品名皿 月見
価格108,000 円
寸法Φ 24.5 × H 6.5 (㎝)

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No.20

作家名吉田 幸央
作品名金襴手彩色皿
価格129,600 円
寸法Φ 30.8 × H 3.5 (㎝)

販売方法につきまして

DMや当サイトに掲載している作品は、会期が始まる前の事前予約を承っております。
実際に弊廊にお出かけ頂けない方には、お電話やメールでのご注文も喜んで承ります。
皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。