柿傳ギャラリーブログ
太田公典展のご紹介です
平成25年2月28日(木)
がっしりとした白い磁器肌に呉須の青絵が清々しい大鉢。
イッチン盛りの花の部分には、軽妙なおもしろさがあります。
白い鉢に白い花…わくわくする考えを実現してみたらこうなったとのこと。
野外でのスケッチをもとに描かれる岩絡や肝木の花は、額紫陽花のような形で、訪れる人の印象にその白さが強く残るそうです。
虎の尾、時計草など、野草のモチーフも、水彩の細密な濃淡をもちいて、風になびくようなたおやかさを表現しています。
そのなかにあたらしく、山容の姿を荒いタッチで映した茶碗と酒杯。
赤や金、そして表面を覆う結晶のような白い銀は、中国ウイグル自治区カシュガル奥地にある湖の向う側に見える山陵だそうです!!
そして、今回は、形に変化をもたせた作品として、口の部分を削って、段差をつけた鉢や茶碗も。
もともと、やきものにどっしりとしたイメージをもっていらっしゃる先生は、最近の薄い口作りの作品に対抗♪口の厚い作品から、さらにデザインを進めたものだそうです。
また、土器のように土に刺して使用する先の尖った壷を立てるためにと考えられた台のついた壷には、ちょっとクラッシック&重厚な雰囲気があります。
会期中、ギャラリーのモニターでは、先生が昨年の研究旅行で撮られたウズベキスタンの作陶風景がご覧になれます。鮮やかな青を伝統にもつ地域なのだそうです。(kk)